「乗馬」とは「馬に乗ることを楽しむ」という趣味の域を超えない分野で、馬に対する感覚は、身近な動物を「ペット」と呼ぶ感覚に似て、人間側からの一方的なアプローチである場合が多いといえます。
一方「スポーツ馬術」とは「馬という生き物をパートナーとして一緒に行うスポーツ」で、文化的かつアーティスティックな一面を持ちます。身近な動物を「コンパニオン・アニマル」「パートナー」と呼ぶに近い感覚であるといえます。
また、「術」とつくように、芸術、科学、感性の面から徐々に深まりを感じていく奥の深いものです。 馬の生物としての生態や、家畜としての歴史を文化として知り、学習の原理や馬の骨格・筋肉の構成、そして私たち人間自身の骨格や筋肉構成をも考えながら、健康的に馬との関係を作り上げていきます。
パートナーである馬が心身両面ともに健康で生き生きとし、私たちとのワークを楽しんでいる事、人に対する信頼感を持っている事を前提とするため、私たち自身の心身の健康、内面の成長も要求されるものです。 趣味の域においても健康的に楽しむことができ、また更なる深みを感じてライフワークの一部となり、年齢を問わず楽しみながら末長く充実感を味わっていけるおもしろさがあります。

日常では馬の心理状態、健康状態を種類や性別、年齢に加えて1頭1頭の性格(協調性等)や体格面の違い、毎日の変化などをよく観察し、それに適した管理を行い、馬の健康を維持する事、また目的とする運動レベルにあった身体造り、人間への信頼を育みます。馬への対応や運動内容、飼料の内容を繊細に考慮しながらパートナーのベスト・コンディションを保ち、その日その状態に適した対応をする、日々の知的な愛情と根気と努力の積み重ねの上に成り立つ「成長していく関係」が必要です。
もう一方のパートナーである私たち人間も自らの身体、心理状態をベストに保つことを必要とするため、まず自己コントロールが第一歩となります。これはどのスポーツにも共通していえることではないでしょうか。心身両面のセルフコントロールを行う事は、もちろん私たち自身の健康にも繋がります。
「馬」という生き物をパートナーとするだけに、より一層のセルフコントロールが必要とされ、なおかつ馬のコンディションをもベストに保っていくという大変なスポーツですが、それだけに得るものの大きさはほかに比類のないものであることを体感してみて下さい。








